〜Venusの笑顔U〜

□46,駆けつけて
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商店街のときと同じようにヨーヨーから針が出てくる。


俺はそれをよけて走る。


「ヘッタクソが!!」






俺は走りながら一つの柱にダイナマイトを一つ仕掛けた。




メガネの野郎はうまく引っかかった!!


すかさずボムを放つ。




「2倍ボム!!!」





敵はすべてのボムの導火線を切った。

だが、これもうまくはまってくれたな!




「前回やられたのがよほど脳裏に焼き付いてるらしいな。素早すぎる反応だ。


 おかげで足元がお留守だぜ」



「!!」




敵の足元に散らせておいたボム。





「障害物のある地形でこそ俺の武器は生きる。ここで待ち伏せた時点でお前の負けだ。」







ボムが爆発した。だが、煙の中からはまたあの野郎。



「しぶてーんだったな。こいつで果てな。」









ズキッ・・・






「ガッ・・・・!!!」






胸の激痛。

「うがああァ!!!くそっ・・こんな時に・・っ」





なんで、なんでこんな時に発作なんか!!



治まれ・・治まれ治まれ!!!!






バリバリッ



俺のもたれている壁から壁が突き破られる音がした。


それのすぐ後に胸に発作と違う痛みが走った。









「スキアリびょん」





胸から血が流れる・・。





ふらついて俺は階段から落ちた・・。


くっそ・・・痛てェ・・・・。


身体が・・動かねェ・・・。

敵も、あの変態野郎の鳥まで嘲笑ってやがる・・。







くっそ・・・







何が、何が10代目の右腕だ・・・

何の役にもたっちゃいねえじゃねーかっ・・・


くそっ・・・

くそっ・・・・・・!





加奈・・・。

お前ならなんて言う?

もういいよ。



そう言うか?

いや、きっとあいつはそんな生易しいこと言わねェよな。



なぁ・・・なんて言うんだよ・・・











[緑たなびくー並盛のー]




・・・・!?






うちの学校の校歌・・。


[大なく小なくー並がいいー]





10代目が言っていた言葉が思い出された・・。



こんなダセー校歌を







俺はダイナマイトを壁に向かって投げた。







「っひゃー どこうってんのー?」

「!」





壁は崩れる。





「へへっ・・・・うちのダッセー校歌に愛着持ってんのは・・・おめーぐらいだぜ・・・・」






「「!」」






崩れた壁からは雲雀の姿。


「元気そーじゃねーか・・」

「ヒャハハハハ!!もしかしてこの死にぞこないが助っ人かーーー!!?」







「自分で出れたけどまぁいいや。」

「へへっ・・・」






ほんとにムカツク野郎だぜ・・




「そこの2匹は僕にくれるの?」


「好きにしやがれ」






気にくわねーが今はこれしかねー。








「み・・・・な!!!」

「加奈・・・・・?」




加奈の声がした。


まさか・・もう来た・・・のか・・?





「はやと・・くん・・・隼人君!!!!」

「加奈・・・・」

「ちょ・・うそ・・・怪我・・・」

「だいじょ・・ぶ・・だっ・・・。じゅ、だめ・・はっ・・骸・・の・・・・」

「いいから!!喋んないで!・・あれ・・・雲雀さん・・・?」

「あ、あ・・。つーか・・来て・・いーの、かよ・・」

「うん。もう平気。遅くなって、ごめ、んね・・っ。」

「遅せーんだよっ・・」







必死に涙をこらえたような表情の加奈。



「私ね・・帰ったら話・・あるの・・。隼人君が知りたかったこと・・教えるから・・。早く・・帰ろうねっ!!」




加奈はそういって笑った。








to be continued
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