〜Venusの笑顔U〜

□45,正体
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『全力でいくぞ』

『あの攻撃をうけて平気だなんて・・・なんて奴なの!?』





ビアンキさんの言うとおり、敵は平然としていた。


ツナは息が切れてる・・。





『玉遊びなど余技にすぎん!』

『!?』






何をする気なの・・?





敵は鋼球を空に高く放った。






『俺が真に得意としているのは・・・肉弾戦』










瞬時にツナは守りの体制に入ったけど遠く飛ばされた。







うずくまるツナにまだ敵は攻撃する。


いやだ・・嫌だ嫌だ嫌だっ!!!












仲間の傷つく姿なんか・・・







見たくないっ!!!







「これ以上・・傷つかないで・・・っ」








よみがえる記憶。

忘れていた・・いや




忘れようと必死だった記憶が鮮明によみがえる。



仲間に・・


隼人君に・・





まだ言っていない記憶・・・・・。















『フィニッシュだ』









その声にはっとした。



鋼球がツナに向かって降ってきた・・・。


「つ・・・な・・・・」














早めていた足が止まってしまった・・・。


頭の中の光景を信じたくなくて・・・。





ツナを傷つけた男・・・


どうしてだろう・・・

憎い相手なはずなのに、なぜだか心から憎めない。





フィニッシュだ・・・







そう言った時に、敵は目を閉じた。

顔をそらした・・。




きっと・・・・










『あんたはそんな悪い人じゃない・・・』

「あ・・・・・」








ツナの声が聞こえた。




怪我がひどいけど・・・






生きてる・・・・・・。






私は再び足を速めた。


『貴様・・・何を言っている』

『そんな弱い心では、死ぬ気の俺は倒せない』

『・・・。心だと!俺のことをわかったような口をきくなっ!!!』







敵はまたツナに向かってくる。







『殺しは俺の本心だ!!!』


『嘘だっ!!!!』


『黙れ、小童っ!!!!』


『死ぬ気で倒すっ!!!!』










ツナの拳が入った。



敵は膝をつき血を吐いている・・・。







『攻撃するとき、必ず目を閉じるのも・・・鋼球を使わなくては止めを刺せないのも・・・


 貴方の心に、罪悪感・・・・迷いがあるからだ・・・・』




『な!』


「迷い・・・」





ツナの額の炎が消えていった。

『あなたを最初見たときおかしいと思ったんだ。
 まるで、うちにいる子供みたいに、あったかくて怖い感じがしなかったから・・。』










ツナはやっぱり・・ボンゴレの血をひいてるんだ・・・。






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