〜Venusの笑顔U〜

□43,華麗な強さ
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映像には短剣を構えた加奈。




うずくまっている敵。





「そんな・・。馬鹿な」

「すっげーのな。」

「相変わらずね。あの子。」

「あ、相変わらずなの!?」

「ありえねー・・。」











『ねぇ。まだでしょ?まだ立てるでしょう?そうゆう攻撃したんだからさぁ。ほら。立ちなよ。』


『ぎ、ギギュッ・・・』


『私の友達、危険な目にあわせた奴の仲間なわけじゃん?マジで許さないから・・・。』





加奈は前に一度だけ、イタリアで見せてもらったことのある伸縮自在の剣を伸ばして構えなおした。





『来ないなら・・・。私から行くよ。』








「!!」

「はえー・・・」

「な、何あれーーッ!!?」







加奈はすごい速さで敵に詰め寄った。

剣を振り下ろす。



敵はやっと避けている。
だが、わずかに切り傷が見える。








敵は負けじと腕や足を加奈に向かって振りおろしたりしているが。





『当たんないっつーの!』








それは空を切るばかり。



華麗で、無駄な動きひとつない加奈の戦い。











その戦いぶりに、俺たちは見入った。





その時、敵が拳銃を取り出した。


『へぇ。そんな物も持ってたんだ。最終兵器?・・んじゃ・・私もッ!!』




「え!?」

「加奈・・何を?」






加奈はスカートの下にいつも隠れているホルダーから銃を取り出して、敵の手元を狙って撃った。



それは見事に命中して敵は拳銃を落とした。




『もう一回!!』



さらに、ポケットから小さなダイナマイト。


「だ、ダイナマイト〜!?」

「獄寺!いつの間にあげたんだ?」

「あげてねーよ!あいつは何でも使いやがんだよ!」








そう。あいつは何でも使いこなす。


でも、滅多なことじゃあんな風にならないはず。


(相当、キレてやがる・・)









友達を危険な目にあわせたことへの怒り。











ダイナマイトを地面に放りそれは爆発する。

その煙で敵の視界は悪くなったはず。





『はぁぁッ!!!!!』


『ぎやぁぁぁあッ!!!!』







視界が晴れて、映像に見えたのは剣を縮めて既にホルダーにしまおうとしてる加奈。




倒れている敵はかろうじて生きてるみてーだ。









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