〜Venusの笑顔〜
□13,思い
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「大丈夫なのか?
そんな、徹夜ばっかして・・身体・・・」
そんな言葉しか出てこなかった・・・
『へ―きだよ。
学校あるから、イタリアにいた時より大変だけど・・・こういうの慣れてるし。
それに私、夜行性だから♪』
加奈はにこりと笑って見せた・・・
それがオレには余計につらい・・・
加奈は慣れていると言った・・・
そんなに毎日遅くまで仕事に没頭していたのかと思うと・・・
自分は何もしてやれなかったのか・・・
自分の無力さに腹が立つ。
「そうか・・・
なんかあったら言えよ?力に・・・なるからよ」
『ホント?ありがとーっ!
じゃーさっそくお願いっ!』
「なんだ?」
『もう少し・・・・話し相手になってくれないかな・・・?』
「!あぁ・・いいぜ」
『ありがと。
あのね隼人くん、私日本に戻ってきてよかったなーって思うんだ』
「ああ」
『隼人くんも思ってるだろうけど、ツナ・・・すごく優しいと思わない?
たまーに、鋭いツッコミあるけど・・私にとったらすごくいい幼なじみなんだ。
ボスとかファミリーとか関係なしに・・』
「ああ。10代目はお優しい方だ・・・
だからこそ決めたんだ。オレは10代目についていくと・・・」
『うん!ツナは・・・まだまだファミリーのボスになるには力不足・・・
けどね、きっとツナ、良いボスになるよ!
良い・・・ボンゴレ]世(デーチモ)に・・・』
そう言った加奈の顔は今まで見てきた加奈の笑顔の中で一番綺麗で・・・
一番・・・
強さを持っていた・・・
『あー隼人くんと沢山話せてよかった〜!
あっ、今言ったことツナには内緒ね?
恥ずかしいからさ』
加奈の笑顔はいつもの幼さが混じった笑顔に戻っていた・・
トクン・・・
胸がはねる・・・・
オレは自分のこの思いに戸惑うばかりだ・・・
まだよくわからない自分のこの思い・・・
加奈の力になりたい。
加奈には、もっと頼ってもらいたい・・・
この思いは一体何なんだろうか・・・
To be continued