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□WOMAN or MAN?
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「「「………」」」

「…ぁんだよ……笑いたきゃ笑えよちくしょー!」


皆の前にあらわれ出たサンジは、美しかった。冗談抜きで美しかった。

淡いピンク色の膝上10センチ位のワンピースに濃すぎない化粧。
何が恥ずかしいのか裾を押さえて少し内股で皆の前に歩み出てくる。


「綺麗よ、すごく」

「ロビンちゃんにはかないませんよ」

「すごく綺麗……惚れちゃいそう!」


ナミがサンジにウインクを飛ばす。
サンジは恥ずかしそうに会釈をする。


「…綺麗だな!サンジ!」


チョッパーはサンジの腕に抱きつく。


「ありがと……つか喜ぶべきなのか?」


サンジは微笑む。


「喜ぶべきよ!…ってゾロあんたいつまで固まってんのよ」


ナミがゾロの頭に拳骨を落とすと、やっとゾロは我に返った。


「サンジくんに惚れちゃった?」

「んな訳ねェだろ!!バカかお前!」

「ナミさんにバカとはなんだ!!」

「うるせェよ!!」



女装しようがなんだろうが、この二人は相容れない質なのだろう。



「サンジ!!」

「…なんだ、ウソッ…プ……」


振り返ったサンジに


「隙あり!!」

「!!!!」


ベラッとウソップはワンピースの裾を捲る。


「何してんだ!お前!!」


「お前…パンツまで女物にしなくても……」

「うるせェ!長ッパナ!」


かぁぁぁっとサンジは顔だけでなく、全身を赤く染める。


「何色?何色?」


ナミは楽しそうにウソップに尋ねる。


「おぉ……綺麗なピン…」


そこまで言うと、サンジはウソップに蹴をいれた。


「ピン……クね」


にやりとナミは楽しそうにサンジを眺めた。


「ナミ…さん……」


サンジは顔を両手で覆う。


「おれはもう嫁にいけねェよ…」

「もともとおめェは男だろうが」


ゾロは冷たく言い放つ。




「なら、おれが嫁に貰ってやる!」


突然、ルフィはサンジの腕を掴み男部屋に連れていく。

「お、おい!ルフィ!何だよ!!」



ルフィは返事もせずにスタスタと歩み進める。




「…いってらっしゃい、サンジくん」


ぽそりと呟いたナミの声は恐らくサンジには届いていないだろう……



End...
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