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□叶わぬ恋だと知っていても
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ガチャと女部屋の扉が開き、部屋に入ってきたのはナミだった。




「ロビン、次お風呂入っちゃいなさいよ」


「…そうさせてもらうわ」
と言って、ロビンは読んでいた本にしおりを挟む。





「メリーのお風呂も良かったけど、サニーはやっぱ広いわ〜」


嬉しそうにナミはロビンに微笑みかける。






「………そう」



いつも通りに振る舞うロビン。





「ねぇ、ロビン?」


「なぁに?」



「なんかあったの?調子悪い?」







ナミはロビンの向かい側のソファに座り、心配そうにロビンを見つめる。




「大丈夫よ、ちょっと目が疲れちゃったのかしら」




山積みになっている読み終えた本を見れば、二人は笑いあった。









――そう、これぐらいがちょうどいい距離――



――これ以上は近づいてはならない――










「ロビン?どうしたのよ、ぼんやりしちゃって」




ナミの声に、ロビンははっと我にかえった。




「ごめんなさい、考え事してただけよ」




じゃあお風呂行ってこようかしら、とロビンは立ち上がり扉に手をかけた。








「ねぇ、ロビン………1人で抱え込まないでよ……?私たちがついてるからもう一人じゃないんだからね」



ナミはロビンに背を向けたままぽつりと呟いた。










――これは仲間としての気持ち――



――この言葉はたんに仲間としての気持ちしかないのだから――
















――期待なんてしちゃいけないのに………!


  
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