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□お願い
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「どうした?」
「……………どどどどどどど、どどうした?じゃねェよ!!髪は?!!」
「切った」
「なんて事するんだァっ!」
シャンクスは頭を抱えて、床に座り込んだ。
何が何だか分からないが、重大な事なのだろう……ベンはシャンクスの元に駆け寄る。
「…おれが髪を切った事か?どうしたんだ?」
ベンは今まで、肩にかかる程の髪だった。だが、長いといちいち面倒くさいので、朝起きてからバッサリ切ったのだった。
「おれ……おれ…おれ、ベンの長い髪が好きだったのに!!なんで切っちまうんだよォ!」
(えぇぇっ………!)
「それからまた、ベンは髪をのばしはじめたんだ……で、今に至る訳だ」
シャンクスは「分かったか?」とルフィを膝に乗せた。
「わかんねェ」
ルフィはぶぅと口を尖らす。
「なんで、シャンクスが『長い髪が好きだ』って言うと、ベンが髪をのばすんだ?」
そりゃ決まってんだろ、とシャンクスはベンを一瞥し、ルフィを見る。
「ベンはおれに、ゾッコンなんだよ」
「へぇ、ぞっこんかぁ…………よくわかんねェけど、シャンクスは信頼されてんだな!!」
ルフィはにっこり笑う。
「そ〜だぞ〜!ベンはおれにゾッコンなんだぜ!」
そして、二人はゾッコンコールを始めた。
「楽しそうね、もう一杯のんでく?」
と、マキノがベンに尋ねる。
「いや、おれは先に船に戻る…………お頭にも、早めに戻るよう言っといてくれないか?」
「また、来てくださいね」
ベンは愛用の長銃を腰布に差すと、席を立った。
長髪が、風になびいた。
End...