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□君との距離
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「っあー…このタイミングで夕立かー、ついてねェなー…」

「ウソップー、もしかしてアメオトコなんじゃねェか?」

「片言じゃねェか!雨男だろ?つーか、おれはそんなんじゃねェ!」


全身びしょびしょに濡らして、適当に店の屋根下へ雨宿り雨宿りと呟きながら入った。


船を島につけて早四時間。

それぞれが思い思いの時間を過ごし始め、ウソップも買い物をしようと船をおりた所をルフィに見つかり、やむを得ず二人で行動することになった。

本来ウソップだけなら、30分で終わる買い物も、ルフィと一緒では寄り道ばかりでなかなか本題へ進まない。
これはこれで楽しいので、ウソップも嫌っているわけではないのだが、やはり天候には逆らえない。
夕立に限らず、突然の大雨、突風により、船に戻る時間が予定より遅れれば、航海士に怒られる事は確実。


船に戻ったときのことを想像すると、やるせない気持ちになりため息をひとつつくと。

「どした?ウソップ」

あっけらかんとしたルフィの声。

「どーしたじゃねェよ……帰ったらナミの説教だぜ?この夕立はすぐやみそうにないしな」


「いーよ、ナミの説教くらい!…せっかく二人きりになれたんだから…」


照れ臭そうにぼそぼそと呟く声は、しっかりとウソップの耳にも届いている。


「ル、ルフィ……」


ウソップは無言で右手を差し出した。

「ん?」

「………手、繋ごうぜ」


俯いているウソップの表情はルフィからは見えない。

けれど、癖のある黒髪の隙間から覗く耳は真っ赤に染まりあがっていた。


「にっしっしっ!」


嬉しそうに笑みを浮かべ、左の自分を差し出された手に重ね、ぎゅうと握るルフィの頬も、ピンク色に染まっていた。



End

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