「ん?あれ?あれっ?」

情事を一通り終え、ベッドの上。
綱吉が、ディーノの腕の中でモゴモゴしている。

「どーしたツナ」
「どーしたじゃないですよ!こ、これっ、上手く取れないんです!」

綱吉が外そうとしているのは、結局、その最中も付けっぱなしだったブラジャー。
ブラジャーなんて付けたのは初めてで、外すことにも四苦八苦しているようだ。
恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして一生懸命手を後ろに回して頑張っている。

(かーわいーなぁ)

初心な少女を見ているような、そんな気分。
自然と表情が綻んでしまう。
可愛くて仕方なくなって、ディーノは腕の中の小さな体を思い切り抱き締めていた。

「ちょ、ディーノさ…!」
「俺が外してやるよ。服を脱がすのは、恋人の役目だからな」

綱吉を後ろから抱きしめ、白い項にちゅ、ちゅ、とキスを落としながら、ホックへ手を伸ばす。
ちょっと惜しい気もするけど、こういうのも悪くない。

「ん?あれ?んん?」
「……。」

そういえば、部下がいないとディーノさんはただのドジっ子だった。
と、後ろから聞こえてきた焦燥に染まる声色を聞いて、綱吉は溜息を付いていた。
事が始まると、何故か不思議とそんなことはなくなるのだけれど。

「お!取れたぜ!いやー今のブラジャーは何か難しいことになってたんだな!ちょっと手間どっちまったぜ!ははは!」
「あ、ありがとうございます…」

それから10分後。
正直寝てしまいそうだった訳だが、背中からパチン、と音が聞こえて綱吉は意識を覚醒させた。
ああ、やっとこのおかしな圧迫感から解放される…

「んんんん!?」

と思ったのも束の間。
ディーノの手が、緩んだブラジャーの中にズボッ、と入り込んできて。

「やっ…ちょ、ディーノさんっ!?」

クニ、クニ、と指先でまた乳首を弄られる。
さっきあんなに弄られたばかりだというのに、否応なしに感じてしまう自分が憎憎しい。
かぷ、とディーノの熱い唇に急に耳を食まれて、体が震えてしまう。

「折角脱がしたんだ。愛してやらなきゃ、恋人に失礼だろ?」
「なに、言って…!」

さっきしたばかりなのに!
しかも、何回も!

けれど、ぐ、とディーノの熱くなっているものを腰に押し付けられると、もう戻れないことを悟ってしまう。
自分にこんなに熱を持ってくれることに、嬉しくなってしまう。

「ツナ、愛してるぜ。…愛し合おう」

この美しい瞳に見つめられて。
この優しい声で囁かれて。
この、温かな手の体温を感じたら。

もう拒絶なんて出来っこない。
キスをねだるディーノの唇に、綱吉は自ら、唇を寄せた。

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