bleach 長編
□06…ノイトラは死んだ人
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ノイトラが帰って行った窓を見る。
『ハッΣ早く寝なきゃ!』
ノイトラ、
おやすみ――…
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『ねぇ、ノイトラ?』
「なんだ…?」
いつも変わらない砂漠の風景。ノイトラはここを虚圏と言っている。
『幽霊って信じる?』
「は?」
『さっきノイトラが“現世”に来た時、私には見えなかったし…窓から出て行ったでしょ?それって宙に浮いてた、ってことになるよね?まさに幽霊だと思うの!』
「そうかよ…」
『ね、幽霊なの?』
「否定はしねぇよ。だが幽霊なんて甘っちょろいモンじゃねーがなァ」
『否定しないって…じゃあ、ノイトラは死んでるってこと?』
「そーなんじゃねェの?覚えちゃいねーけどよ」
『生きてる時に会いたかったなぁ…』
「ハッ。会ってどーすんだよ?」
『どう、ってこともないけど…私の世界でフツーに遊びたかったよぅ!』
「……そうかよ」
『あっ!でも、ここで…虚圏で会えるから良いよ!』
「そんなに俺に会いてェのかよ」
『え?あ…、うん』
「変な奴だぜ、てめぇはよ」
『ふふふ…よく言われる!』
「馬鹿が。」
『あとね?ここに来てること友達に言ったら、生霊になってるとか幽体離脱してるんじゃない?って言われたんだ…』
「そりゃねーな。」
『なんで?』
「因果の鎖が付いて無ぇからな」
『…因果の鎖?』
「幽体離脱してんなら因果の鎖で魂と肉体が繋がってるハズだ。それが何らかの形で切れちまったら死ぬ事になる…だが現世でてめぇは生きてる」
『色々知ってるんだね!さすが幽霊っ!じゃあ、生霊・幽体離脱説はナシかぁ〜…』
「それより…幽霊って呼ぶんじゃねーよ、俺は破面だ。」
『破面って何?』
「一度死んで…虚に……」
『一度死んで…何?』
「……色々あって破面になんだよ。」
『色々って?』
「うるせえ、色々あんだよ。この世界にも」
何となく虚になって、虚を喰らい続けた事を言うのはやめた。隣で笑うこいつが怯える気がして――…