雪の守護者

□三戦目.黄金の空の昔話
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カフェに移動して相談したのは毛利君と綾姫ちゃんのことだ。
一通り説明してディーノさんが出した答えは考えもしていない事だった。



「なぁ、その虐めてる奴はそんなにバカなのか?」
「えっ?どうしてそんなこと聞くんですか?」



ディーノさんは納得がいかないと言うような表情だった。



「無口で無表情。それでいて誰よりも強い。そいつが感情的に人を襲うなんて考えられねぇ。
そいつの話は聞いたのか?」



それに遠い昔の友達に似てるんだ。
とても懐かしそうに寂しそうに言った。



「聞きましたよ!だけど何度言ってもその子に謝ってくれなくて……
「ツナ…それは話を聞いてるんじゃねぇ。頭でっかちに相手を否定して言い訳してるだけだぜ」



その顔はビジネスライクの時に見た忘れもしないツナの憧れたボスの顔だった。
可愛くて大事な弟分に一つ教えとくぜ。






優しいと甘いは違うんだ。






意味の解らないたった一言なのにツナにはその表情が、言葉が重かった。



「『甘い』って虐めをしてる子にも言われました」
「そうか。でもそれはツナの問題だから俺は口出ししないぜ」





昔話をしてやるよ。
戦国時代の武将、毛利元就と前田慶次の話をな。






ディーノさんないつものように太陽のような笑顔でそこにいた。



「ちょっとお勉強だ。毛利元就と前田慶次がなんて呼ばれてたか知ってるか?」



リボーンに自分の国の歴史くらい覚えておけと言われて扱かれたので有名な人物に関してなら少しだけ覚えていた。
そういえば毛利元就と言う名前も同じだなと思いながら記憶をひっくり返していた。



「えっと…毛利元就は啓計智将。氷の面。日輪信仰者。
前田慶次は絢爛豪壮。前田の風来坊。恋に生きた男でしたよね」
「そう!今からそいつらが出会って友達になるまでの話をしてやるよ」




どこか遠くを見るようにしてディーノさんは話し始めた。






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