零崎楽識の人間模倣

□第二幕.親父(母親)
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あれからもう夏休みが近くなり俺の回復力でも追いつかないくらいの傷やアザが
目立たないところに出来ていた。
寿司屋である親父の営業も息子である俺の所為で町内での売上は激減してしまっていた。

「すまねぇ……親父、俺のせいで………」
「何言ってんでぇ!聞いた話はバラバラで考えりゃすぐ解るさ!武は何もやってねぇ!!
なんたって俺の自慢の息子だからな!!!」

明らかに俺の所為なのは解っているがそう言ってくれるだけで元気が出てくる。
並盛中では皮肉にも俺が嵌められたおかげで
日に日にマフィアらしい殺気を出すようになったツナと獄寺には毎回精神的に凹まされていた。

「前から気に食わなかったんだよ!!」
「真っ青な髪と眼で気持ち悪ぃ!死ねよ」
「麗を苛めるなんて最低だな!!」

野球部でも俺は的にされるだけで今まで外れたことのないレギュラーからも外されてしまった。
球拾いや片付けなんかの雑用を全部押しつけられて部活はまともには活動していなった。
悔しいとかもっと野球の練習したいとか修行も休みにしなくていいとか、わがままばっかりだし
他にも言いたい言葉を飲み込んで感謝の言葉を口にした。



「大好きだぜ、親父!最高だよ!!」



親父はニカッと笑って当然だと言ってくれた。






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