雪の守護者

□八戦目.嵐の前に
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上に立つ者に必要であるのは
行動力であり人望・人脈でありどうすることも出来ない運であったりするが
やはりどんな場合にもある程度の経歴は必要である。










14歳で社長。


人目を引くが実際は致命的欠点でしかない。
何でもありな企業に成長を遂げているBASARAコンツェルンに表立って口出しする組織はないだろうが
少しでもこの先の不安要素を減らすべく体裁は整えておく。


そんな理由をつけて元就はいくつかの大学の卒業資格を取りに敢えてイタリアを選んだ。




――――




「雪のリングの適応者、毛利元就様。お時間よろしいでしょうか」


朝方に待っていた駒の一つが現れた。


この時点で一番接触の可能性のあったチェルベッロだ。
物語の途中までしか知らない元就にとって未だ真意が見えず不確定要素を孕む機関である。



しかし、視えぬ先を不安に思っても仕方がない以上、考えに入れていた他の駒よりはいい道標だった。




やはり俺にも役割があるか。
まぁ良い。次の手はいくらか決まった。




黙って思考を巡らせていると肯定と見たのか感情の籠もらない事務的な声が元就を促した。







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