雪の守護者
□一戦目.俺と奴らの立場
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俺の一番古い記憶は“私”だった。
“私”は20代で呆気なくこの世を去り“私”は“我”となった。
マンガ、ゲーム、小説などを読み漁りやり尽くしていた“私”はその世界をBASARAと判断した。
俺で、僕で、俺様で、“私”は誰でも無かった。
しかし、転生というモノを体験し女から男になり、
気付けば歴史と自然の法則と人間の限界を無視した
BASARAの毛利元就に成っていた。
松寿丸と名付けられ早々に父兄は死去した。
屈辱的な幼少時代を経て毛利の家紋を継いた。
“私”の知る彼と同じように家の繁栄を目指した。
氷の面をつけてはいたが“我”は好きな絵を描くことを止められなかった。
心を許せる友を沢山作り戦国時代の人生を“我”なりに全うして
またこの世を去った。
そうして“我”は、再び記憶を持ち毛利元就の名前と姿そのままに“俺”になった。
俺は両親の母校である並盛中学に通うことに決めた。
急に決めた為に2学期から―正確には夏休みから―という
中途半端な時期からの珍しい編入生となった。
そして今、俺はいじめられている。
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