雪の守護者
□十戦目.雪を笑う梟
1ページ/6ページ
雪は強かだ。
舞い散る雪は降っているのではない。
堕ちているのだ。
地に着いた瞬間、この世を知り、穢れ、消え失せる。
残雪は踏みしだかれ、遊戯の糧となり、泥の屈辱を受けながら、溶け逝く。
自らが穢れ、死に続けているにも関わらず、穢れを知らぬように雪は降るのだ。
穢れを覆い、純然たる白を主張するが如く。
雪を儚いと称するなら思い違いだ。
一片が消失しようと、雪は一帯に積もる。
雪の猛威を儚いとは表せまい。
雪は強かに、凛々しく存在する。
人を雪と称するなら、何とも解り難く、矜持の高い人物だと喩えよう。
.