Requ

□キリ番-47374
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とある夜のことだ。
俺は先に寝てしまった(不貞寝した)シリウスにベッドを完全に占領されてしまったので、眠れないのも背中を押し、書庫で本を漁っていた。
そろそろソファーでもいいから寝るか。客間でもいいな。そう考えていた時、書庫の扉が勢いよく開かれたのだ。

「ななちゃん!!」
「…びっくりした。どうしたんだい、シリウス……うわっ」



ドサッ


何も言わずに、パジャマ姿のシリウスは抱きついてきた。…いや、抱きついてきたというよりはタックルだった、と表現する方が正しいのかもしれない。
思いっきり押し倒され、本の山へとダイブする。
ものすごい、痛い。

「っぅ〜〜〜!」
「うぅ……ななちゃん〜…」
「ど、したの。シリウス」

ずきずきと痛む頭を押さえながら、ギュッと抱きしめてくるシリウスの頭をなでる。っていうか何、拗ねてたんじゃないの。

「……―見た」
「え?聞こえなかった。もっかい言って?」
「…っ、怖い……夢、見た!」
「…」
「…」

思考回路の停止。
腕の中で小刻みに震える子犬を凝視した。
今、何と言った?
思い出し、不意に笑いがこみ上げた。なんだ、そういうことか。そんなことか。

「っくく……ぷっ」
「!? わ、笑うな!……本当に怖かったんだっ」
「はいはい」

涙声で、鼻をすすりながら訴えかけるシリウスはとても可愛かった。
よしよしと頭をなでてやると、犬のように体を摺り寄せてくる。理性を保つのが辛くなってくるから、早く上から退いてくれないかな。

「で?」
「え?」
「で、なんで俺のところに来たの」
「…」
「ん?」
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