Requ
□キリ番-47374
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「一緒に……」
「何?」
「一緒に、寝よ。ななちゃん」
「…”ゼッコー”とか言ってなかった?」
「っそ、それはっ……」
上目づかいで言うシリウス。可愛い。少し、意地悪をしたくなった。
…さっきもそれで喧嘩したわけだけど。
可愛いんだから、仕方がないよね。
「シリウスから絶交とか言って、俺をベッドから追い出したのになぁー…」
「うっ……ご、ごめんって」
ゆっくりシリウスを自分の上からおろして、大勢を立て直す。これ以上あの状態でいたら理性が持たない。
大事な書庫で致すところだった。
ぺたりとその場に座り込んでいるシリウス。
アヒル座りができるんだ。男子にしては珍しいな。そんな場違いなことを思いながら、シリウスに手を差し伸べた。
「?」
「寝るんでしょ? 俺もそろそろ寝ようと思ってたし」
「っ! …ななちゃん!!」
「うわっ、と…」
あからさまに表情が一転して、また抱きついてきた。今バランスを崩せば本棚の本が落ちる、そう思い踏みとどまる。あぁ…いきなり抱きつくのは心臓に悪いからやめてくれ…
「ありがとう」
「っ…、いや。いいよ、こっちこそごめんね」
ふにゃと笑うシリウスに、理性が飛びそうになった。
今のは反則だろ……顔が熱くなるのがわかり、見られないように俺からも抱きしめた。
初め、戸惑っていたシリウスが、手を彷徨わせながらも抱きしめ返してくれた。
そして、小さく「うん」と返事をする。
あぁ、なんて可愛いんだろうこの生き物は
「うわっ!?…ちょ、おろせ!自分で歩けるから!」
「っふふ、素足じゃ床は冷たくて寒いだろう?」
「だ、だいじょーぶだ!」
そのままひょいとお姫様だっこをしてやれば、シリウスの顔が真っ赤になる。耳まで…首まで真っ赤にして抵抗するシリウスだったが、額にひとつキスをしてやれば、恥ずかしそうに縮こまり、おとなしくなった。
大理石でできた冷たい床を裸足で歩いてきたらしい。よほど怖い夢だったのか、焦っていたんだろうな……そう考えると、シリウスがまた一段と愛しくなった。