駅前タンポポ
□駅前タンポポ 夏休み特別編 後編
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京都駅前。
駅前の広場はかなり広く、さらに目の前には白い京都タワーが灯台のごとくそびえ立つ。
「佳織!」
「あっ、お母さん!」
佳織は一台のワゴン車へと駆け寄り、助手席に乗り込んだ。
「元気にしてた?」
「毎日楽しいよー!」
ピースサインを向け元気をアピール。
「「姉ちゃんおかえり!」」
後ろから声が飛んできた。
「おーっ!皆元気にしてた?」
佳織が後ろを向くと、ワゴン車一杯に子供達が乗っている。
全員、佳織の弟あるいは妹で、その数五人。
「佳織姉、一人暮らし楽しそうだね」
「なあ小明、いつか俺達も佳織姉ん家いこーぜ!」
後部座席に並んで座り、そんなことを話しているのは、二女・小明(あかり)と長男・奏太(かなた)の二人。
二人は中学二年生、双子である。