駅前タンポポ
□駅前タンポポ 10月
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ーーチュンチュン…。
「……ほあ…」
4号室。
穂菜実は欠伸と共に、櫛で髪を梳く。
「うー……寝癖が直んないよ……ん?」
……カンカンカン…ドタドタ……。
慌ただしい音に穂菜実は手を止め、櫛を片手に洗面所から出る。
……すると。
「ほなぁーっ!」
ガチャ、という音をかき消す位、勢いよく玄関から佳織が部屋に飛び込んで来た。
「えっ、柴ちゃ…ふあぁっ!?」
ドシン!
佳織がそのままの勢いで抱きついてため、穂菜実はひっくり返ってしまった。
「いたた……酷いよ柴ちゃん、いきなり……」
「あはは、ごめんねほな」
のしかかってしまっていた穂菜実の上から身体を起こし、佳織は背伸びをした。
「気合い入ってるね、柴ちゃん」
「ほなも、ね!」
休日の今日、穂菜実と佳織は同じ服装。
制服ではなく、ジャージ。
「よっしゃーっ!今日は頑張るぞーっ!」
「えへへ、おーっ!」
なぜなら、今日は体育祭なのだから。
第一週
〜○○の霹靂〜