駅前タンポポ

□駅前タンポポ 夏休み特別編 後編
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夏休み特別編 第三回
〜1号室 ただいま!〜






八月十四日、天気は晴れ。


今回の話の主人公、柴宮佳織は電車を降り、改札を出た。


時刻は午後四時、場所は京都駅。


いわゆる、里帰り。


「うーん…久し振りだなあ!」


軽く背伸びをする。


ふと見回すと横幅が数十メートル、段数が百段以上もありそうな階段が目に映った。


「おおーっ!久し振りだあ!」


佳織は人目を憚らず叫び、脇にある長いエスカレーターを無視して階段を駆け上がった。


京都駅はもはや何かの芸術のような造りになっていて、そのうちの一つが、この階段。


そして、もう一つの芸術と呼べる場所は……。


「やった、着いたあ!」


広い屋上と、そこから見える京都の街。


屋上は休憩スペースになっていて、所々に丁寧に刈り込まれた芝や木が植えられていて、ベンチもあった。


「ふおぉぉっ!やっぱりいい景色だあ!」


ここからは京都の街が一望できる。


それこそ、見とれるほどの絶景。


――♪〜♪♪


携帯の着信音。


「は〜い、うん、了解!」


佳織は通話を切り、階段を降りた。






 
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