駅前タンポポ
□駅前タンポポ 夏休み特別編 前編
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夏休み 特別編第一回
〜4号室 見切り発車〜
夏休み初日。
「………」
いつもは家を出る8時になっても、穂菜実の部屋のカーテンは締め切られたままだった。
外は晴れ。
窓は空いていて、風が入り込み、カーテンが膨らむ。
「……うにゅ…」
身体が慣れていないのだろう、8時を回ったところで目を覚ました。
「………ふあ…」
大きな欠伸を一つする。
『明日から夏休みだ、初日は休みにするから、明後日からの練習に備えて、各自休養を取るように』
前日の練習後、監督に言われたことを思い出していた。
…シャッ!
カーテンを開ける。
朝日が部屋に降り注いできた。
「わあ…いい天気…」
天気がいいと気持ちも晴れる。
――よしっ、朝ご飯食べよう
すぐに着替えを取り出し、Tシャツを脱いだ。