駅前タンポポ

□駅前タンポポ 5月
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第一週
〜こんがりキツネ色〜













5月最初の土曜日、この日は終日晴れ、気温も平年より高かった。


時刻は午後5時半。



雲は見渡す限りどこにも無く、夕日が穂菜実達が過ごす寮をオレンジ一色に染め上げる。






――4号室 穂菜実の部屋



――ガチャ



「ただいま〜…って、誰もいないんだっけ」




肩にかけていた、野球道具を入れた大きなバッグを部屋の隅に置き、背伸びを一つした。



「う…ん…今日も部活…疲れたな〜…」




「ふう」と大きく息を吐いて、キッチン脇の冷蔵庫に向かい、手を掛けた時、


――ピンポーン


穂菜実の部屋にインターホンの音が鳴り響いた。




「…ん、誰だろ?」











ドアを開ける。



「やっほ、ほな」

「お疲れ様、ほなちゃん」



訪ねてきたのは佳織と亜優。




「柴ちゃん、あゆっち!…どうしたの?」



入学してから、穂菜実と佳織と亜優の3人は、ほぼ毎日のようにそれぞれの部屋を行き来している。
どうやら今日は2人が穂菜実の部屋に来たようだ。


 


「ほな、部活お疲れー」

「汗かいたでしょ?今日暑かったもんね、これから寮の大浴場に入ろうと思うんだけど、一緒にどう?」



大浴場は食堂の下に位置し、男女で分けられている。



「うん、行く行く!ちょっと待ってて」










そう言って穂菜実は着替え等の準備をして、再び玄関へ向かった。










「お待たせっ」
















 
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