Dグレ

□愛しい誘い
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「ふー…疲れたさぁ…。」
「チッ…案外長くかかっちまったな。」

オレたちは任務を終え、帰りの列車の個室の中で一息ついた。

久しぶりのユウと2人の任務だったのに全然ゆっくりできず、イノセンスも見つからずで疲労がどっと感じられた。
チラッとユウを見ると、ユウも疲れた様子でベッドに寝っ転がっている。
適当に乗った列車がちょうどよく寝台列車で、個室にベッドがあったのは幸いだったが1人部屋のためベッドは1つしかなく、それはもうすでにユウに陣取られている。

はぁ…とため息をつくとある考えが浮かんだ。

「ねぇユウ、疲れてる?」
「はぁ?当たり前だろうが。」
「んじゃ、マッサージしてあげるさ!うつぶせになって!」

前にジジイから教わったマッサージのことを思い出したのだ。

ユウは一瞬驚いた顔をしたがすぐに言われた通りうつぶせになった。よいしょ、とユウにまたがり重くない?と聞くと、ん…と唸るような返事がかえってきた。

「どこがいい?どこでもできるさっ!」
「……背中。」
「了解さ!」

背中から腰にかけて絶妙な力加減でぐっぐっと押していく。最初はずいぶんこっていたが時間が経つにつれてほぐれていった。

「ユウ、気持ちいいさ?」
「…ん。」

相変わらず唸るような返事だがそれを聞いてオレに嬉しさがこみあげてくる。
それにしてもこの調子だと足や肩も相当こっているに違いない。

「ね、よかったら足とかもやるよ?」
「……。」

手を動かしながら聞いてみたが全く反応がない。
ここからは顔が見えないが、何か怒らせてしまったのだろうか。
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