デュラララ!!

□言い忘れ
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ガリッ。

嫌な音がして、口の中に鉄の味が広がる。
仕方なく今まで相手のそれを塞いでいた唇をはなす。

「あーもー見事に傷ついちゃったじゃん。シズちゃんにはムードってものが感じられないのかな?」

適当にそのへんにあった窓ガラスに自分の唇をうつして見るとそこは常人に噛まれただけでは決してできることないであろう深さの傷がつき、そこから血が溢れ出ていた。

「…うるせぇ…元はといえばお前がいきなり…。」
「いきなりキスしたからビックリしちゃったのかな?シズちゃんは純情だねぇ。」

唇の血を拭いながら笑みを浮かべそう言うと相手の額に青筋が浮かんだ。

「…死ねぇぇぇ!!」

そう言ったかと思うと一瞬のうちに隣にあった標識をいとも簡単に抜き、ものすごい速さで投げ付けてきた。
しかし俺は寸前のところで横にかわす。

「じゃぁね〜シズちゃん。ごちそーさま。」

俺はそう言って次々に投げつけられる看板やら柱やらを避けながらその場を後にした。


―…あ。

波江のいるマンションに戻り、ふとあることを言い忘れていたことを思い出した。

…あーあ、今度はちゃんと言ってあげなきゃなぁ。


―顔真っ赤だよ、ってね。
END.
◆言い忘れ

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