マリオネットとワルツを
□作品番号Op.4
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次の朝、初等部では―――
「さて♡改めて…
カカカ…
大方の皆の期待を裏切って舞い戻ってきました^^」
「佐倉蜜柑正真正銘のアリスです!よろしくー」
と髪の毛をツインテールに結んだ女の子が紹介されていた。
何やらひと悶着あったらしい…で、クラスの大半が彼女の周りを囲んでわいわいやっていた。
「…来る日を間違ったかな?」
一人事情が飲み込めない透…いや、もう孜はうーん、と首をひねっていた。
「はいはいみんな静かにー!席戻ってー。今日はもう一人転入生を紹介したいと思います。」
パンパン、と手を打って生徒たちを席に戻した後、先生はこっちを見た。そして佐倉さん?と同様に黒板に名前を書いた。
「炬口孜、これからどーぞよろしく…って何この雰囲気……」
みんな席に座っているから壇上からだと顔がよく見える。じと目…?とキャァァって感じの黄色い声援ならぬハート型の目…たち?
「ごめんねー、さっきの蜜柑ちゃんがあまり自分のアリスを理解してなくて本物のアリスかどうかの騒動が昨日起こっちゃったんだ。だからみんな孜君がアリスか疑っているみたいだね♡」
「へー…そうなんですか…」
(…蜜柑ちゃん、ねぇ…顔も名前も柚香そっくりというか……)
「……柚香と泉水の子か…?」
聞いた限り…性格は泉水そっくりだ。
「え……」
誰にも聞こえないように言ったはずなのに…隣の先生がびっくりしてこっちを見てる。
この顔………どっかで…?
「……杏樹……?」
「五十嵐…先輩…?」
((やばい!))
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