マリオネットとワルツを

□作品番号Op.17
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アリス学園三校の特色として、初等部は物考えぬ無鉄砲集団、中等部は群れたがりのゴシップの温床、そして高等部は徹底した秘密主義の個人主義。
その噂好きの中等部にてここ2〜3年まことしやかに囁かれるあまたの噂の1つに…「中等部校長の怪」
年齢不詳はいわずもがな。世が世なら尊き身分の方だとか。
「お気に入りの女の子はお人形代わりに愛でられる」とか。
なかでも一番のお気に入りの女の子は誰にも見られないよう日も当たらない座敷の奥に閉じこめて、一生そこから出してあげない、とか…。
そしてその校長の秘密を見た者は二度と中等部の闇から抜け出す事ができなくなるとか…。

1/1…。
じーちゃん、新年あけましておめでとうございます。ウチは今アリス学園の寮でお正月を迎えています。

「わーっ、かわいーっっ!」

「ありがと〜♪」

「「孫にも衣装」だねー」

「馬子にも、だろ?まぁワザトなんだろうけどさ…一応な」

心読み、キツネ目君の新春ギャグをいがぐりがいなす。

「みんなもかっこいー」

学園から支給しれた着物を着て、新年1日目は食堂&談話室でゆったりのんびりおせち三昧です☆

「わぁっ…!」

きいてじーちゃん!お正月ばかりはいつもの星階級別食事制度がないのです!

寮で差別のない食事…

「よかったねぇ…蜜柑ちゃん」

ほろり。

けれど、支給されるお年玉はしっかり星階級別です☆

「いいの…もらえるだけでもうれしいもん…」

人は人!ウチはウチ!

「遅ればせながらみなさん今年もよろしくー!^^」

よろしくねっ!

ところで☆

「しってるかい?今日が一体何の日か」

かるた中にございます。

「ちょっと何勝手にデタラメ詠んでんのよ」

パーマがきーっ、と着物姿で怒る。

「今日…って元旦じゃないの?」

ルカぴょん。

「1月1日だからいい日ってこと?」

心読み。

「うーん残念!」

1月1日…お正月で忘れられがちやけど、今日はウチの誕生日!!☆
今年こそみんなにリアルタイムで誕生日を気づいてもらえるチャンス!!

「じゃあねーヒント!今日は誰かさんの誕生日です!」

みんなにお祝いしてほしーい!!
そんなうずうずが、こっちにも伝わってくるようですが…。

「さあ誰の…っ「みなさーん、年賀状が届きまっしたよー」

タカハシさんの一声で、みんなわーっと年賀状へ。誕生日ウキウキ気分も、蜜柑も年賀状でどこへやら…。

「「……」」

「ころころ変わって可愛いよね」

「「……」」

え、そこ無言?
村のみんなから来てる!と騒ぐ蜜柑…。そして、じーちゃんの年賀状を見つける。

(じーちゃん……っ//)

てれ…。
おめでとうを変わらず言ってくれるじーちゃん。年賀状というか、連絡がとても嬉しい。
なんて、のほほん、としてると…。

「うおっ、すげーっっ!今井!年賀状のビルが建ってるぞ!」

((おおうっ!))

まさに年賀状のビル。
ほとんど世界各国の大富豪共や企業からで…何千枚。すごいな蛍ちゃん。
もうお年玉月年賀状のチェックしてるし…。そうだよねー、一等賞も数打てば当たるよね(多分複数枚…)。

「キャー!ルカ君その年賀状の写真、ルカ君の家族!?」

「や…」

みせてみせてー!
必死に振り払うルカぴょん、だけど。
もうその姿だけで可愛いよ。

(ルカぴょんの家族…っ!?)
(そういえば、ルカぴょんの家族の話って聞いたことない)

っていうことで、興味津々…

「わ!」

ペラ…

!!!

超!!絶!!美人母っ!!

「ル…ルカぴょんの大人の女の人バージョン…っ」

「ルーちゃん……」

なんか、母前面に押し出されてて合成写真なんじゃない?って言いたくなるね!

「やっぱりルーちゃんって呼ぶのありなんじゃん、ルカぴょん〜」

「!//いいから返せ!」

「……」

(ルカぴょんと棗ってそういや幼なじみやったっけ…。ん?この葵ちゃんて!?だれ…?)

すっ…

「あ…棗…っ」

「許可なく人のハガキ勝手に見てんじゃねーよ。ルカ、ほら」

バッ、抱え込むルカぴょんはやっぱり見られるのは恥ずかしかったらしい。
さいものルカぴょんもちょっとムっといている。

「ご…ごめんなさい…あ…棗っっ、棗は年賀状て何枚きた?」

ピシ…


怒り顔の棗は、蜜柑ちゃんをにらむと、バタン…、とどこかへ姿を消した。

「あーあ、バーカ」

なんともいえない雰囲気に、パーマがいつもの格好で仁王立ちだ。

「え…何今の…」

「あんたねー、何も知らないわけ?自分の時はあんだけ大騒ぎしてたくせに」

ふんっ、とふんぞり返るパーマ。

「えっと…蜜柑ちゃん。棗君の所には今まで手紙とか来た事ないんだよ」

漫画汗をかきながら委員長が説明する。

「何で!?」

「知らないわよ、そこら辺は学園のの考えや棗君の事情もあっての事だろうし、棗君の家族の事とかも私達きいたことないし。少し考えれば分かりそうなもんなのに、この地雷バカが」

がーん…
地雷バカが…地雷バカが…(エコー)
パーマの言いえて妙な発言に、エコーがかかるまで打ちのめされて、蜜柑は…。

「ちょっとウチ…出てくる」

バタン…
あ、蜜柑ちゃんまで…。もー、このあと食べづらいじゃんー。
一応、誕生日なのに、蜜柑ちゃん。

「…あーあ。スミレちゃん、言い過ぎ」

「孜君…でもあの子が」

「俺があげたクリプレ覚えてる?」

「そういえば、孜君、レターセットあげてたよね〜」

「!そうだった…」

「棗…、あの後何か大事そうに小包抱えてたから…着てるんだよ、年賀状は学園を通さなきゃいけないから来なかったけど。やり取りしてるんだ」

「ルカ君…」

「でも、蜜柑ちゃんの考えなし…というか浮かれ過ぎが棗の琴線に触れちゃったのも確かだし…少しひとりにしてあげよう?ね、蛍ちゃん」

「…、じらされる蜜柑をみるの、面白いんだもの」

だって可愛いじゃない。
蛍ちゃんの背中がそう語っている。
何を隠そう、サプライズパーティーにしようと言ったのは、蛍様なのだから。

「ハイ、大将がそう言ってるのでそうしましょーね」

で、もう少ししたら、探しにいこう?
きっとあのまま飛び出して寒い思いをしていると思うんだよねー。

「な、バカなのあの子は」

「そうだよ、地雷バカ(笑」

「孜くんまで…っ、〜〜」

なんやかんやいったって、蜜柑ちゃん。

…A HAPPY NEW YEAR! and Happy birthday!



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