願いを流れ星に込めて

□星二十五夜
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(よりによって…文化祭も終わるって頃に…)

「入りなさい、千悠。さぁ、奥まで」

「はい、久遠寺校長」

(どうして呼び出しがかかるのかしら…。しかも、任務じゃなくて、こっち)

3日目の午前、なんだか流架と気まずい関係になってしまった千悠は、午後から高等部の八雲にペルソナに呼ばれていると言われ、ペルソナには校長がお呼びだと言われて、文化祭に殆どの教師が出て行ってしまったので人員が少ない本部へとこっそりやってきた。
例年なら、校長はここにはいない。中等部、高等部、両校長と共にスポンサーなどのお偉い方々との挨拶回り(される側) であったり、シンボル的な意味で引っ張り蛸のはずなのだが、どうして自室にいるのであろうか。

(午後からはパレード見る予定だったのに…)

急なお呼び出しに、腹が立つばかり。

「失礼します」

カーテンの奥には、ゆったりした椅子とテーブルがあり、大量の茶菓子(という名の貢物)が乗っていた。

「座りなさい」

千悠は促されるままに、校長の向かい側の椅子に座り、プランジャーポットから自分にあてがわれたカップに注いだ。
ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコという最上級の紅茶を何食わぬ顔で飲んでいる彼は、それは豪勢な暮らしをしているのだ。
見極められるほど、ここに通ってしまった自分がなんだか嫌だった。



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