願いを流れ星に込めて

□星十九夜
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メカゴキをぽーんぽーん、とあげながら進む棗。と、そこに、鏡だらけのスペースが。

「…………」

ばっ

「よーし!ひったくり大成功♡では!「今から私に奪われたものを30秒以内に取り返してごーらん!」勿論私や鏡に危害を加えちゃダメよ」

鏡の中から、人?!(みんな同じ反応をするらしい)

棗の眉間に皺が寄った。
これでもびっくりしている方なのだ。

「「そしたらここを通ってもいいわよ」ま、ムリと思うけどー♡どーせこの鏡の中に入ってこれやしないしー」

女…現れた魔神は縦横無尽に立てかけてある鏡から姿を見せたりして、ぐるぐる回っていた。

「じゃ、カウントいくわよー。いーち、」

カサ…

「に……」

彼女の手に注目しよう。
捕まったメカゴキが本物そっくりにカサカサ動き始めたのだ。

「ぎゃ〜〜〜っっ!!!!」

それは棗の手に戻ってきた。

「いやーーーっっ、何てもの持ってんのよ!バカーーーッッ、触っちゃったじゃないのよもーーっっ!信じらんないっっ、さっさとどっかやってよ!」

……。この女の条件は奪ったもの(→メカゴキ)を取り戻す。だったが、これはどういうことのなのか。取り戻す、というよりは戻された。が、正しいような。棗がゴキちゃんを近づけると、

「ギャ〜〜〜ッ、やめて近づけないでーっっ、分かったわよ(ギブアップギブアップ!!)」

さっさとどっかいってー!と、叫ばれたので進むが…。

「(……何なんだ)」

棗にはわからず仕舞いだった。
そして、次に進む、と。男の魔神が壁に寄りかかっていた。

「じゃ、じゃーんっ!」

ぴょこっ!
と、抜け出てきたのは…。

「俺様はそこにいるナイスガイのいわゆる「魂」だ」

えっへん!威張っている。特力…変なアリス多いなー。

「では、ここで俺様から難問を1つ。「魂と本体に触れることなく、30秒以内に魂を本体に戻してごーらんっ。勿論危害は加えちゃダメだぞ〜」ではスタート!!」

フッッと消えた魂は、兎の人形に入った。すると、その人形が動き出したのだ!
棗はわけも分からず、とりあえず兎の人形を掴んだが、最早それには魂はなくて、絵画や壺、ロボットなどに次々に憑依していった。男が林檎に憑依した頃、埒があかない、と悟った棗は白い火を出した。

「あっ…隣に座りやがった」

むわーんと空気が波打つ。はたして白い火の温度は何度なのか。

「ああっ、俺の本体がっっ!とても暑そうっ」

と、言っている側から兎の体からにょきっと、魂が引き寄せられた。

「我慢しろ俺の体っっ!あと10秒だ!あと5秒――…」

必死の抵抗空しく、残り2秒で魂は男の体に戻された。

「うおーーっ、こんなのもうちょっとで反則だぞ、コラーーッ!」

「スミマセンネェ。自分じゃどのくらい熱いか分からないもんで」

いけしゃあしゃあ、棗は次のブロックに進んだ。




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