願いを流れ星に込めて
□星十八夜
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「あ!それよりきいてっ!さっきウチな、すごい事あって…
『では、全校生徒を代表して学園総代表の櫻野秀一君の挨拶を…』
高等部っぽい人が…あ!」
「え?」
蜜柑が指をさしたその先には、プリンシパルの櫻野。
何があったかというと…。
急いで中等部に向かっていた蜜柑は転んでしまい、そこをたまたま通りかかった櫻野に声をかけてもらったのだった。さらに転んだ時の傷も治してもらい、あまつさえ、中等部まで一緒に来るという…委員長がびっくりの体験をしたのである。
「彼らはいわゆる”幹部生”組で全校生徒の憧れの的だよ」
「憧れの的……かっこよかったもんなー」(←違う)
へぇーーー…。蜜柑は全然分かっていない。
プリンシパルを新種のプリンと間違えたくらいだもんな。(ぼそ)
「アリス学園には初・中・高、3つの生徒会があって、そのすべてを統べるのがプリンシパル(=執行部)なんだ。プリンシパルは幹部生と補佐の幹部候補生で成り立ってて、今話してる人が初・中・高の学園総代表、櫻野さんで、多分、蜜柑ちゃんが傷を治してもらったって言う黒髪の人は後ろにいる潜在系総代表の事だよ。その隣が技術系総代表で、その隣が……」
「委員長、じゃあ千悠ちゃんも棗も執行部の一員なん?」
蜜柑は執行部が並んでいる末席の2つを注視していた。
「え?千悠ちゃんと棗君!?あ…一応あそこに並んでるってことはそうだと思うんだけど…。2人に関しては何だかよく分からない事だらけだから……」
……さっき話したプリンシパルの人が言っていたことが蜜柑の中でリピートされる。
「でも委員長ホンマこういう事詳しいな」
「何言ってんの、蜜柑ちゃん。委員長と蛍ちゃんは次期幹部生候補だもん。いずれ自分達が行くかもしれないんだし詳しくって当然だよ」
にゃにゃ―ん!
(幹部生候補〜!?)
二人とも…すごいすごいとは思ってたけど…そこまでなんて思ってなかったというか…。
『では開会のテープを……』
切られたテープ。
それぞれに想いや期待を胸に――
アリス祭、只今開幕です!
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