願いを流れ星に込めて
□星十八夜
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文化祭がとうとう始まるよ――――っっ☆
ということでアリス祭当日です!!
開会式、の文字の花火が打ちあがり、中等グラウンドから歓声があがっているのですが…ここに、おっちょこちょいが一人。
「アリス祭開会式は中等部グラウンドで行われるから当日初等部に向かったりするおっちょこちょいさんのでないようにね♡」
(て、鳴海先生に言われてたのに―――っっウチのアホ〜ッ)
寝坊して遅刻して、あせって初等部へ。でも、気付いて慌てて中等部に向かったはいいものの…迷ってしまったのは、ほんの数週間前からやっと「星一つ」に昇格することが出来た蜜柑だった。
(ここ毎日無効化の特訓でヘバってたからなー)
のだっち亡き後(留守中)の蜜柑の能力特訓とは、棗に火を出してもらってひたすら無効化で消す、というものだった。
『みなさん、文化と能力の融合の祭典の幕開けです。今回は残念ながらイベント祭は諸事情により中止となりましたが4組の個性と多彩な技のぶつかりあいに大いに期待します!!この日のために準備してきた”力”を1〜2日目模擬店祭、3日目、パフォーマンス祭、最終日、後夜祭で4組が正々堂々思う存分発揮してくれる事を望みます!』
技術系の伴奏に乗って拡声器を使った大々的なアナウンスが流れた。
空にはずっと花火が上がっている。風船も上がっている。
先生たちは指定のTシャツと鉢巻きをして、それぞれの能力別クラスの旗の前に立っていた。
「あ、蜜柑ちゃん!」
「委員長っ、蛍っ。やっとついたー」
汗をかきながら手を振る蜜柑が走ってやってきた。
「どうしたの!?特力の列はあっちだよ!?ここは潜在系と技術系の列の間だよ」
「え“」
「バーカ」
クラスメートを見つけて一安心の蜜柑だったが、今日はアリス祭。能力別なのだった。
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