願いを流れ星に込めて
□星十七夜
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「……さっきから勝手なことばかり言うな。何で棗がお前らなんかと」
「…おい、こいつ。あんだけレオさんの”声”きいてて何でなんともないんだ…?」
(あ…)
「……お前、「無効化」か…?この顔………似てなくもない。「あの女」に」
顔をまじまじ見られた蜜柑。後ろでパーマがバレバレや…といっていた。
「おい今すぐデータを調べろ♪「あの女」について10年程前を徹底的に洗い出せ。おもしろいことになりそうだ。「黒ネコ」と「殺戮女神」以外にこれは思いもよらない収穫があるかもしれないぞ」
蜜柑には、何も心当たりがない。棗はパーマを蹴り飛ばし、あたりを探らせた。
「…人気はナシ…あ、南方の…2つ先…?の倉庫から大量の火薬と薬品のにおいがするわ。ダイナマイト…?」
「…お前ら、俺が合図したら……全速力であのドアに向かって走れ」
二人の中に戦慄が走った。
「え…」
「逃げるなら…あいつらの気がそれた今しかない」
「ちょ…何する気…」
「走ったら絶対止まるな。どっちかでも無事逃げ切ったらなんとかして学園にここの居場所を伝えろ」
「まってあんた…走れる体とちゃうやん…」
「俺はなんとかなる。足手まといはお前らだ。…勝手にここまでついてきたんだし、放っていきたいのは山々だけどな。さすがに売られるってなったら寝ざめわりーんだよ。…いくぞ、いけっ!」
高鳴る心臓、と、棗の声。
逃げ切れれば。
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