願いを流れ星に込めて
□星十五夜
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そこで見たものとは…
レオが棗の上に乗っかり、睡眠薬をかがせたところだった。
(え…何…これ……)
『おい…こいつも嗅がせておけ。眠っているが、どんなことで目を覚ますか分からないからな』
『でも、このガキは関係ないんじゃ…』
『こいつもだよ。顔だけじゃ分からないかもしれないけど”殺戮女神”だ。だけど、こいつらが入院してるなんて思わぬ収穫だな。おい、薬の持続時間は?』
『2・3時間で』
『こいつをテレポートでリムジンのトランクに入れとけ』
『はい』
『”殺戮女神”の方は後部座席にな』
バタン…レオはそのまま病室を出て行った。
「い…今のって…」「………」
「棗…千悠…レオに連れて……」
「……っ」
パーマは走り出した。
「ちょっ…どこに」
「追うのよ!」
「え…」
「何ボーっとしてんのよ。あれは…っ誘拐よ!あたしだってわけ分かんないわよ。……とにかくっレオを追うのよ!」
病院から正面玄関まで移動する。そのときに、レオはもうリムジンに乗り込むところだった。
「蛍っ、ルカぴょん!」
「あら蜜柑…あんたどこに「あの車を止めて!」え…」
蛍とつかまった流架が生徒たちの波に紛れて小さな旗を振っていた。
「あの車のトランクに棗が入ってる!千悠ちゃんが後部座席におんねん!!レオに誘拐されたの見てんっ!おねがいっ何とかして……!!」
蛍も流架も流架の腕に抱かれていたよーちゃんまでもが瞳を見開いた。
「……」
蛍が煙玉を炸裂させた。
「いけっ」
「!!っ」
蜜柑とパーマが生徒たちの一番前に投げ出された。門が閉まりかけている。
「はやく!」
パーマが蜜柑を振り返った。蜜柑が走る。
「…おい、お前達っ!」
二人は門の外にでた。
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