願いを流れ星に込めて
□星八夜
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「…何だその目は。前の未熟な「無効化のアリス」とやらで反撃でもする気か?」
「神野先生。止めてください」
「止めるな、東海林。それとも何か、お前はそっちの肩を持ち、私に逆らうというのか。お前もそこの星なし同様に授業妨害として罰を与えるぞ」
蜜柑とジンジンの間に入ったは良いけど。
(ジンジン止まらないぞ〜これだけじゃ…)
なんたって止めてるのが身分はおいといて…授業サボりの常習犯。
「……おもしろい」
「先生っ」
蛍が蜜柑に鏡を投げた。
「どけ飛田」
(蛍ちゃん…あとでどうなっても知らないよ?)
ジンジンがアリスを使う。
ブスブス…と焼け焦げる臭いと音がしたかと思うとバタ…とジンジンは倒れた。
「先生!?」
「自分のアリスで気失ってりゃ世話ないわね。バカはお前だっつーの、ヘボ教師」
「ほ…蛍っ」
蛍が持っていた手鏡は『3倍返し鏡』。今の状況を見ると、その鏡を持った蜜柑に放たれたアリスが3倍になって自分に帰ってきたという図式。
「あんた、千悠と委員長にもお礼言っておきなさいよ。委員長が止めて千悠が庇ってくれなきゃアンタ真っ黒こげだからね」
ジンジンが倒れたまま動かないので生徒がざわめきだし、蛍は蜜柑を引き連れてトンズラした。
「千悠…お前」
棗が新しい雑誌を取り出して読んでいた。
「何よ…私の不干渉スタンスを疑うわけ?」
「……」
(実際にアイツかばっただろーが…)
「あ…もしかして頭叩いたこと怒ってる?」
その問いかけは無視された。
「(むかっ)…ごめんってば、棗」
千悠が少しすまなさそうに言うと、棗が無言でぼかっ、と叩いてきた。
「なっ…やっぱ怒って」
ぽす…
「…んっ…?」
なでなで。些か力が強くて髪が乱れる気がしたけど…
「別に怒ってねーよ」
「うん…へへ、棗なんかだいっきらい!」
その言葉に反して微笑むと…棗が顔を赤くしたような気がした。
(…その笑顔は反則だろ…)
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