願いを流れ星に込めて
□星三夜
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降ろされた蜜柑はまた床にへたっていた。自分のみに起きたことにまだ呆然としている。
「おい水玉。お前、どういうアリスもってんだ」
べっ
棗の問いに答えなかった蜜柑はまた持ち上げられ
…心読み君に心を読まれることになってしまった。
「…『そういえばウチってホンマはどんなアリスもってるんやろ。先生はウチをありす言うてくれたけど全然そんなんもってる兆しなんてないしなー。ウチってばホンマにアリスなんかな〜〜なんて☆』」
「……」
「信じらんない!その子自分のアリスも知らないの!?何でそんな子がこの学園にいるわけ!?おかしいわよ、そんなの。きいたこともない。まさかこの子アリスを騙ってもぐりこんだんじゃ…」
「そんな事…っちゃんと鳴海先生がウチの事『アリス』やて!」
「だったら証拠みせてよ!」
蜜柑と正田さんの争いは止まらなくなってきた。どっちも一回言ったらひかない性根だから、誰かが止めないと…絶対に終わらない。しかも、この場合、蜜柑の方が何のアリスか分かっていない、上に、アリスのことを知らないので分が悪い。
果てには唯の殴り合いに発展しそう。
(ガキ…ね。って、蜜柑の顔殴られそ…)
バキッ
蜜柑を庇って殴られる!
なんて事を千悠がやるわけも(まだ紅茶を堪能中)蛍がやるわけもなく、馬足で蜜柑と取っ組み合っていた男子を思いっきりのした。
「今井さん!?」
「…悪いけどこのバカ泣かしていいのはあたしだけだから勝手に手出ししないで。…まったく、これで優等生賞がパアだわ。あんたのせいで。今まで何のためにしたくもない我慢してきたんだか…
「セントラルタウンのお食事券1ヶ月分」特典…「1週間の実家への里帰り」特典。帰れなくなった事あんたの方からうちの両親に謝っといてよね。
……まああんたが自分から会いに来るなんてまったくの計算外がおこったことだし、会いに行く手間が省けた分今回は特別それでチャラにしといてあげる」
蜜柑は蛍の愛を感じた。(RPG風で)
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