願いを流れ星に込めて
□星二夜
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そんなこんなで異空間を作っている二人。
「…本当に親友なのか?」
「うーん…『ちがう』に千円?」
「『あれで親友』に2千円」
岬、ナル、千悠で小さな賭けが成立したところでびたんっ、と蛍ちゃんが蜜柑の額を小突いた。
「汚い顔して寄らないで、あたしの知ってる蜜柑はもっと可愛かったハズ…」
疑惑の目は追及の手を緩めていない。
「蛍…これやったらいい?」
ぎゅーっ!と目には涙をためているのに、口だけ笑わせて。
「ウチ蛍にすごくすごく会いたくてここまで来てもうてん。蛍、抱きついていい…?」
蜜柑は無理してでも笑っていた。
「…友達に会いたいからってだけで後先考えずこんな所に来るバカ、そういないわね…」
「ホタ…」
またぐらぐらと揺れだす蜜柑の瞳に、少しだけ蛍ちゃんは笑った。
「びっくりした…おいで、『バカ』」
(…初めてかも…蛍ちゃんがあんなにうれしそうにするの…)
蜜柑は蛍ちゃんに思いっきり抱きついた。
「…ナル…後で2千円…」
「……;」
感動の名場面?はぴしゃりと閉められた。
「さてと…教室到着ー。じゃ、蜜柑ちゃん、みんなと仲良くね♡」
ガチャ…と押し戸が開かれる。
「初等部B組へいってらっしゃい♡」
見えた教室の中は…無法地帯だった。
(え…?)
「頑張ってね、蜜柑。私はフケるから…私が戻ってきて、蜜柑がまだ居れたらまた会いましょう」
学級崩壊、てんでばらばらの寄せ集め(クズたち)
「えっ…ちょっ、千悠ちゃんっ…待ってーなーっ…」
そこで大人しく居られるほど私の神経は図太くないの。色々取り巻きが絡んできて面倒だし。
蜜柑の災難が終わるあたりに帰ってきてあげる。
だからじゃあね?
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