願いを流れ星に込めて

□星三十三夜
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「ご…ごめんなさ…せんぱ…」

「いーから今はとにかく逃げろ」

「……」

『たすけてせんぱいっ』『わっ、先輩すごい!』

ザッ

「お前か殿内、こいつらを手引きしたのは」

「げっ!名前忘れたけど幹部候補生!お前ら向こうに逃げろ!」

ラジャっ

「させるか」

ふわ…

「きゃっ…」

「!!あ…足が…っ」

「ギャー!地面が氷になったー」

棗が飴をなめきったので、なめきってない奴は千悠だけ。

「げっ、お前ら捕まったの?!って…千悠ちゃん…っっ//」

「おまっ…!//」

ブーッ

「やっ!バカみないでよ!」

ちょうど氷になったときに転んでパンチラ中。

「わーん、せんぱーいっっ」

「……」

ぽ…

「!!!棗」

棗の火で氷が解ける。
当の本人はフン、と鼻を鳴らしただけだった。

「ふたたび逃げろ!」

だっ!

「ははっ!やっぱスゲーなおまえ!」

翼先輩が棗の背中を叩くと、ぺんっ、と突っ返した棗。
そして…

「は…速水―――…いるかーー…でてこーい…」

全力疾走の末…。
ズボッッ

「やっぱお前かー殿やん。さっきの『高等部幼女連れこみ事件』の犯人はー。犯人かくまうのイヤやなー」

「だ・れ・が犯人だっっ!勝手に事件つくんなっ!」

「「…」」

新聞部到着を果たしたのだった。はーぁ、何キロ走らされた事か。

「こいつが新聞部部長の速水」

「よろしくー、今話題の初等部の皆さんー」

「部室みのむしで情報狂いのボケだけあって今回の大体の事情はもう知ってやがると思うから」

「お前の全・女狂い歴も逐一な。で、今日は高等部の「穴」のことについてききたいんやて?」

「おう」

「はやっ、話運び」

てなわけで、もう高等部の格好でもなくていいらしいので、千悠は舐めきってなかった飴を取り出して縮んだ。

「穴はあるよ」

つまり、こういうことらしい。
穴はある。
Z侵入事件。あの事件が起きた日、ぐーぜんにも新聞部員がユーレイスポットなるところで不審な2人組らしき影を見たそうだ。
場所は、西校舎2F北奥。
情報料は殿さんに支払ってもらいましょう。

「で、そのユーレイについて1つ2つ気になることがあって」

「ユーレイ話はもういーよ」

まあそう言わんと

「どうもそいつユーレイとちがうらしいねん。ウチの部員いわく」

「はっ?」

だからいいって

「そのユーレイがスポットに出没する時、必ず2人組みででるんやって。
そして、てには必ず古い小さなノートを持ってて、片っぽのユーレイの顔は学園のある人間にそっくりらしいねん。
――部員の言うことには学園総代表の櫻野秀一。あいつそっくりらしいねん」


   
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