願いを流れ星に込めて
□星三十二夜
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「とにかくっ!またルール違反してみんなに迷惑かけるつもり!?余計な事手だして委員長今井さんに続いてあんたまでどーにかなったらどーすんのよっ!(怒)」
「…でもっ!ウチ約束したんやもん。蛍と…一緒に委員長のアリスとりかえそなって…。特効薬がはよみつからんと、蛍、いつまでも苦しいままで…」
「だからってそれは学園の仕事でしょ。あたし達生徒が勝手なことして状況がより悪くなったら」
「でも…っ、すこしでも状況を動かすために何かしたいんやもん。悪くするんじゃなくて…よくするために…何かウチに出来る事もしあるならじっとなんてしてられへんやんか」
「でも実際問題なあ、穴みつけてもそっからお前に出来る事なんて…」
「ないかんしれんけどっ、もしあった時動かへんかった事を悔やむのはもっとイヤやねん。」
棗…
棗…俺じゃ棗を救う力になれないの……?
「あるかもしれへん可能性を埋まったまんまにしたくないんやもん!」
棗…
早く大人になって力がほしい…
『強くなりたい……』
繋がる。何もできなかった、過去の自分と。
「……俺、手伝う」
蜜柑の言葉が、流架を動かす。
「佐倉が穴探すの、手伝う」
「…ルカ…」
翼先輩や美咲先輩やメガネ先輩は、恋のマジック?っていってるけど、ね…。
流架、それだけじゃないんでしょ。
「何言ってんのルカ君!?そんな事してルカ君にまでもし罰則とかあったら…」
「ルカぴょん……」
『何であんたが1人でここにいるの?
何で?今あんたが行くところは…』
「……俺ものった」
「「「「「え」」」」」
「棗…っ」
「あるかどーかもわかんねー穴の事でガタガタと…ダベってる暇あんなら穴の存在確かめる算段つけてる方がよっぽどマシだろ」
「だからそー簡単にこーゆー事を」
「うるせー日和見じじい」
カッチーン
「…もし穴がみつかればうまくいけば最短で奴らを捕まえる事が出来る。学園がバカな動きをする前に、カタをつけるチャンスがあるなら願ってもない」
「……」
『Z絶滅を最終目的とした『裏征伐部隊』として――…』
『佐倉蜜柑、あの娘は――…』
「棗…」
ははは。
笑い声に、教室内がいっせいに千悠の方を向いた。
「あははは!流架が行って、棗も行くって?じゃあ、それは私も行けってことよね?」
「千悠…お前は…!」
棗が必死に止めようと怒る。でもね、ごめん。
私、蛍ちゃんに蜜柑の事頼まれてんのよ。
「黙って。あんた達が行くのに私だけ置いてけぼりなんて許さないわ。ってなことで…殿先輩?」
すすす、と殿の方に千悠は寄り添った。
彼が座ってる椅子の所にスカートの丈を片膝だけものすごく捲り上げて、きわどい部分でとめる。
(……っ//)
「責任取らずにすむ計画、勿論考えてありますよね?」
白魚のようなきめ細かい肌が頬に当たっときは、周りなんか関係なく襲いそうになった。
(ホント、イイ女だよな、コイツ)
色仕掛けで、委員長のアリスが戻るなら、今井ちゃんの苦しみが除けるなら、なんぼでもするわよ。
といった感じだった。