願いを流れ星に込めて
□星三十二夜
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「はあ!?侵入者をおいかける!?」
「うん、ウチその穴を探してあいつらを捕まえて委員長のアリスと蛍の特効薬をとりかえすねんっ!」
こんにちは、東海林千悠です。
蜜柑のアリスの気配を頼りに特力の教室までやってきた私ですが、いきなりの展開についていけません。
はぁー…いっせいにため息をつく、みなさん。
だから一体何の話?
「できるわけねーだろっっ!!たった今勝手なことして騒動起こした張本人だろーが、お前はっ!おい殿!その気にさせた責任とってアンタちゃんといいきかせろよ!」
蜜柑のツインテールをもった翼先輩。いたいいたい!
「チビちゃん」
ぬっ
「ごめんさっきの穴の話し全部ウソ♡」
ガンッ
あ、信じるんだ。
「と…殿先輩…今さっきあるかもってゆったやんかー…何で…なんでそんな嘘つくのー?ウチ…っ、蛍や委員長のこと本気で…っ!……何で……ひっく」
「すまん……俺にはこの子をだますことはできん…っ」
しかし、汚れた奴には清らかな者がマブシイってあの図式?(by美咲先輩)らしく殿内さん。失敗。
「っていうか…この下種っ!蜜柑をいつまで抱いてるつもりよ!」
穢れる!
べりっ
「ふぇ?あ…千悠ちゃん…って…」
「おっと…」
どさっ
蜜柑を殿内さんから引き離そうと力を入れたまではよかったのに。
「何だよ、チビちゃん。俺に引っ付きたかったってワケ?」
ぎゃーっす!にやにやしてるっ!
殿内さんに捕まった(ふかくっ!)
「ちがっ…!!//はなせーっ!」
(ん?)
ちらりと見える…鎖骨から、鬱血痕。
(…マジかよ…)
「きいたわよ佐倉さんっ!」
バンッ
あんまり乱暴にするとその扉壊れやすくなってます。
「しおらしくうなだれて反省でもしてるかと思えば危険を案じて止めてくれる先輩を無視してあるかどうかもわからない穴を探してZを追跡ですって?佐倉さん、アンタってホンッとバカで考えなしのろくでなしね!
あたしは反対よ、そんなの!」
「パーマっ!野乃子ちゃん、アンナちゃん、キツネ目くんっ!&ペンギー」
「棗…っ;」
(やだやだ!こんな姿…棗に見られたくないっ!)
「はなしてーっ!エロオヤジ!」
「やー、それは酷いな〜千悠ちゃん。そして、俺は嫌がられると燃える男だ」
キリッ
(じゃなーいっ!)
べりっ
「……お前は何遊んでんだ」
「遊んでなんかない!」
…。
「……でもありがと、棗…」
ふんっ、とすぐにどっかにそっちを見てしまうけど。
「大体あんた今井さんがあんな大怪我したっていうのによくそんなマネ…」
「わー蜜柑ちゃんよかった!元気そう。ねえ、委員長のアリスと蛍ちゃんの特効薬取りに行くってホント!?」
「みんな…っ」
「棗…千悠…『任務』のこと……」
「ルカ…」
「……ああ…余計な心配すんな」
「でも、あいたっ」
ボスッ、と弱いストレート。
「大丈夫だよ、ルカ」
…私は…なぜだか外されてしまったから。