マリオネットとワルツを

□作品番号Op.7
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「えーーーっっ、文化祭って4日間もあるの!?すごーいっっ」

「うん、とても大規模なものだからね。アリス学園の文化祭構成は1日目が「模擬店祭」2日目が「パフォーマンス祭」3日目は学園主催の「イベント祭」そして4日目が学園祭終了を祝う「後夜祭」」

「普通の学校の文化祭ってのがどんなのかは知んねーけどウチの文化祭はすげーんだNO.1だぜ。空にはしょっちゅう「幻覚玉」が打ち上げられて大騒ぎだし、模擬店際じゃ他では絶対手に入らない生徒が作ったオリジナルグッズがあふれてるし、特に潜在能力系と技術系は毎年優勝候補クラスだけあってすげーんだ!潜在能力系は特にアトラクション系の店が力はいってて、去年は「体験飛行店」とか「占い館」とか行列すごかったし、技術系はなんたってオリジナルグッズが飛ぶように売れっからみんな毎年「次何作るか」ってワクワクしてっしな!!」

(何それ何それ何それーー!!)

「アリス学園の学園祭は僕らアリスが社会に出て活躍する前の予行練習を兼ねた場としても考えられてるから、学園側も生徒が思う存分アリスを発揮できるようにこのときばかりはいろんな事に寛大なんだ。3日目の「イベント祭」ではアリス出身の芸能人や音楽家がステージや公演をするし、来客も学園側が用意したアリス出身者や大企業の代表・VIP・たくさんの人が来る。学園祭は国や学園挙げての大イベントなんだよ」

(……すっ、すっごーーい!すごすぎるーー)

(だろーー!?)

((何に向かって叫んでいるのーー?))

「そういえばさっきから潜在系や技術系のことばっかやけど特力系や体質系は?」

「体質系は「パフォーマンス祭」で活躍するんだよね。「特力」は…」

(…んー、無理だろ、特力をほめるのは。だって…)

「特力系なんかさしてとりえもない不人気NO.1クラスだよ。ま、変人・落ちこぼれの寄せ集めクラスだし当然の結果だがな」

「「あ、お前あん時のイヤミワカメ頭」−−−っっ」

「先輩に向かってお前とはなんだ」

先輩面するならちゃんとした先輩になれっつの!笑

ガタッ…カランカラン

「棗…いたのか、こいつ…フンッ、ああ忘れるとこだった。不人気どころか特力の下には文化祭にエントリーすらしてもらえない「危険能力」くらすがあったんだっけ」

雑誌で顔を隠しながらも…皿を蹴った棗。取り巻き達がイヤミワカメを睨む。

「政府の要人やらいろんな方々が見に来る大事な学園祭だからな。『くさいものにはフタをする』お前らみたいな奴らを表に出すことの危険さを学園側もよくわかってるってことさ。ま、お前らみたいな奴らフツーに参加させてもらえるだけでもありがたく…」

プチ

「じゃあ、お前はなんだよ。お前が棗の何を知ってるんだよ。お前は棗を見下げられるほど見上げなきゃなんない奴なのかよ、あぁ!?」

「お前は…炬口孜…」

ああ、やっとフルネーム覚えてくれたんだ。(そこかよ)

「…お前みたいなのうのうとした奴がどうして学園で安全に暮らせてるか知ってるのか?それはなぁっ!なつ…」

ボッ

「わーーっ」

「…ワカメ頭からもずくに変身だな」

棗がイヤミワカメに火をつけて…そのままクラスから抜け出した。

(…言うなってこと?…かな…)

「ちくしょーまてっ」「水―っ」

「ちくしょーあいつっっ」

「あらお兄様、何してらっしゃるの?初等部で。合同授業でもないのに」

「スミレっ」

正田兄妹…よくみると瓜二つ。

「もうすぐ技術系クラスの学園祭作戦会議があって今年は初等部に強力ルーキーもいることだし彼女の会議参加をさそいにきたんだ」

「ああ…今井さんね」

…まあ、その後なんだかんだで正田兄、撃沈ってことで。

「蜜柑ちゃん、特力に行こ?」

「え、うん、孜くん」

「みんなに囲まれてなら、なんかいいアイディア浮かぶかもしれないよ?」

そういうと蜜柑の足取りがやっと軽くなったようで、ぎぅっ…と腕に抱きついてきた。

(あー、幸せ)

「そやなっ!」

そもそも…騒ぎ好きのユッキーの血が騒がないはずがない…。




 
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