願いを流れ星に込めて
□星五夜
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「あ――……」
棗の本気の目に、蛍が煙幕を使って場を壊す。ゲホッ、と、棗が咳き込んだその隙に、蜜柑は棗を殴って委員長のところまで走った。
だが。
「わっ!」
棗のアリスが委員長を取り囲み、蜜柑を阻む。
「委員長っ」
「手段は選ばないと言ったハズだ。とっとと吐けよ、お前のアリス」
棗の手のひらには火の玉。言わないと…蛍も蜜柑も炎の餌食になる。
「火を止めて!蛍っ、消化器か何か…」
「だめよ。そいつの火はそんなんじゃ消えないわ!」
「棗やめて…」
委員長の様子を見てルカがにわかに騒ぎ出す。
「…こいつが力を見せれば済む話だ。早くしろよ…死ぬぞそいつ」
「…(委員長の周りの酸素が燃え上がりきるまであと数分ね)」
委員長の周りの酸素が燃えている。このままじゃ本当に。
「うちにはそんな力…だせるもんならだしてるっ、お願いやからもうやめてっっ!」
蛍の周りを火が囲った。
「ナルの連れてきた奴の言葉なんかうさんくさくて信じられっかよ。本性ださねーならもう1人いっとくか」
「やめて…他の人間は関係ないやろっ!火を止めて!」
ウチにもし力があるならお願いやからでてきて。
でてきてこいつを止めて……っ
「…っ」
ウサギのお尻に火がついているのを見つけたルカがそっちのほうへ走った。それに棗が反応する。
「…やれる?……蜜柑」
ばっ、と蜜柑が棗に掴みかかった。
(蜜柑なら、できるよ……きっとできる)
「火止めろバカ!」
「な、この…」
棗の放った強力なアリス。
駆けつけたナル。
「あぶな…っ!」
眩い閃光。
そして…
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