好きじゃないしっ
□Episode5
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洗面所に着いて、紙袋を開けると…
「……」
出てきたのは女物の花柄のワンピース…淡い黄色でなんだかふわふわな感じだ。
これを俺に着ろっていうのか!?
まぁ、変なコスプレとかよりはマシだけど、女装とか…アイツは何を考えてるんだよっ!
でも、俺も男だ!男に二言はないっ!って思ってワンピースを着たんだけど…
丈が短かすぎる…パンツ見えそう…
こんな格好で部屋に戻らないといけないと思うと恥ずかしくて死にそうだったが、俺もハルも男だしパンツくらい大丈夫!と思い直して部屋に戻り、ドアを開ける。
「…な、なんだよ?そんなに見るなっ」
ベッドに座っていたハルにじっと見られて、顔が赤くなる俺。
「可愛いな〜と思って。それに、罰ゲームなのに見なかったら意味ないだろ〜」
「可愛くないしっ!ニヤニヤするなっ!」
「こんな可愛いナツを見て、ニヤニヤしないとか無理!それより、こっちおいで〜」
こっちおいで〜とか俺はペットかよっ!と思ったけど、言われたとおりにハルの近くに行ってしまう。
すると、ハルは立ち上がり、俺を引っ張って、再びベッドに座り直したハルの足の間に後ろから抱き抱えるような形で座らされた。
「はぁ〜我慢するのつらい…」
俺の肩に頭を乗せながら、小さい声で呟くハル。
「…何が?」
「別に何でもないよ〜」
「ふーん。あのさ、このワンピースってどうしたの?」
何を我慢しているのか気になったが、無理に聞いたら悪いと思ったので聞くのをやめて、ずっと気になっていたことを聞いてみた。
「あ、それはハナに借りた!ナツに着せたいからって言ったら、ノリノリで選んでくれたぞ〜」
「へぇー…って、ハナちゃんに変に思われるだろ!」
「大丈夫だって〜ハナは俺達が恋人同士ってこと知ってるし」
ハナちゃんとはハルの妹で俺達の1つ年下で、雑誌のモデルをやっている綺麗な子だ。
悔しいことに背は俺より高い…
そのハナちゃんが俺達の関係を知ってるなんて…しかも、ノリノリで俺に着せる服を選んだとか…
「…はぁ〜」
俺は驚いたけど知られてしまったなら仕方ないと諦めて、溜め息をついた。
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