好きじゃないしっ
□Episode3
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あれから一度も目を合わせることはなかったけど、それ以外は普通だったと思う。
だから、俺は風呂でじっくり考えた!
よく考えてみたら、こうなった原因が全くわからないんだよなぁ
何かしたとも思えないし…
何もしてないんだとしたら、やっぱり気のせいかもしれないと思ってポジティブになってきた俺は本人に直接聞いてみようと思って、急いで風呂を出た。
★ ★ ★
濡れた髪をタオルで拭きながら部屋に入るとハルは俺のベッドに座って漫画を読んでいた。
全然こっち見ない… 気付いてないのか?
「ハル?」
とりあえず声をかけてみると、やはり気付いていなかったらしく、ハルは少しビクッとして俺を見た。
「…遅かったな〜 てか、髪濡れたままじゃねぇか! 拭いてやるからこっち来い」
言われたとおりハルの前に座って髪を拭いてもらう。
「…あ、あのさ…俺のこと嫌いになった…?」
俺が小さい声でそう聞くと、俺の髪を拭いているハルの手が一瞬止まり、はぁ〜と溜め息が聞こえた。
不安になって振り返ると目があって…
「そんなわけないだろ〜」
と言われたけど、目をそらされた。
「…な、んで、目そらすの?」
嫌いではないと言われたけれど、また目をそらされて、それが悲しくて泣きそうだったから俯きながら聞いた。
「……好きだから」
「………」
え?
ぇえええええー!?
とりあえず嫌われてなくてよかったけど…
「……好きって…どういう…?」
「もちろん恋愛感情〜」
うそ…
「…お、おれ、男だけど」
「知ってる。返事は待つからゆっくり考えて〜 じゃあ、おやすみ」
ハルはそう言って布団に入ってしまった。
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