好きじゃないしっ

□Episode1
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「……って、あんなやつ好きじゃないっ!」

 俺、何考えてんだ!?

 気のせいだ、うん。

 気のせいということにしておこう。




「はぁ〜……おい、ナツ。落ち着けよ〜皆驚いてるぞ〜」

 呆れたように言ったこいつは俺の親友のハル。今の俺の悩みの原因。

 こいつは口調は軽いけれど、優しいし格好いいとか意外と一途とかいろいろと言われて結構モテる。

 それに、誰にでも分け隔てなく接するから、男子とも仲が良い。


「…え?」

 もしかして、さっきの声に出てた!?

 うわー…
 恥ずかしすぎるっ!

 今が昼休みだったのが不幸中の幸いだ。

 でも、それにしても最悪だ。それもこれも全部…

「お前のせいだからなっ!」

「はぁ?」

 あ、また声に出てたらしい。

 まぁもういいや…


「気にするな、とりあえずお前のせいなんだよっ」


「はぁ〜…まぁ何でもいいけど早く食わねぇと時間なくなるぞ〜」

「あ…やばっ! あと5分しかねーじゃん!」


 それから、すごい勢いで食べたけど結局食べ終わらなかった。

 授業にも少し遅れたし…


 最近、こんな感じで上の空だったりする事多いんだよなぁ…

 ハルも呆れてるだろうなぁ。


 はぁ〜…

 俺がこいつを好きだと認めるのはもうすぐ……じゃなくて、好きじゃないしっ!



end?


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