ほか

□物知り
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いろいろ知ってる君。

でもきっとこれだけは知らないよ。


「ね、ゼルって物知りなんだよね?」

この間ゼルにその知識を披露されたスコールが有難う、物知りゼル。と言っていたから。

「おう!俺の知らないことなんてないぜ!」


胸を拳で叩くような仕草をしてみせるゼル。
ちょっとからかってみたくなって、少し疑ってみた。

「本当に?」
「本当だ!」
「じゃぁ、あたしの好きなものはなんでしょう?」
「オマエの好きなもの?あれだろ、購買のアップルパイ!」
「正解、よく分かったね」

少し以外だ。という顔をしていると、ゼルは照れたようによく食べてるだろ。と笑った。
何だかその笑顔が眩しくて胸が潰れてしまいそうだった。

「じゃぁ次ね、あたしの好きな人はなんでしょう?」
「す、好きなやつ?……サ、サイファーとか?」
「違いまーす。サイファーじゃありません」

サイファーとは幼馴染だし、よくつるむけど…そう思われてたのがちょっとショック。

「スコール?アーヴァイン?雷神?」

どんな答えにも首を縦に振らないあたしに、ゼルは頭を捻らせたように悩んでいた。

「あっ!!も、もしかして……」


ようやく分かったか。この鈍ちん。
内心そう思いながらも、口から出てくる答えを待つ。

「シド学園長だろ?!そうだろ??!!」

ゼルはあたしに人差し指を指しながら、意気揚々と明るく笑って言い放つ。
あぁ、心底アホだ。

「って、そんな訳ないでしょ!どれもハズレ!答えは……」
ゼルだよ。とそういって素早く頬に唇を落として、走っていった。

「もっと物知りになりなよー!!」

と、呆然と立ち尽くしてるゼルに大きな声でそう言って去った。
ゼルは片頬を押さえて暫し化石化してたとか。







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