海/外/俳/優/
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「く、唇が…カサカサだ……」
絶望したような、そんな声で俺は本を読むのをやめて、顔をあげた。
彼女は、冬は乙女の敵だわ!と嘆き、綺麗な細工が施してある手鏡を置いた
毎度毎度面白いな。と思いつつ眺めていると、気が付いたのか 見ないでよ。 と少し膨れてしまう
「どうかしたのかい?」
「唇がカサカサでどうしようもないの。だから、」
あんまり見ないで。と言ってそっぽを向いたが、カサカサなもんか。乾燥のかの字も見当たらないじゃないか
「乾燥してるようにはみえないけどな…」
「私には乾燥してるように見えるの」
そう言ってリップクリームを塗ろうとするを阻止するかのように、リップクリームを奪った。
リップクリームには CASSISFlabor と書かれていた
「ヴィゴ、返して」
「私が塗ろう」
「ヴィゴが?」
塗れるの?と言う言葉を遮り、顎に手を添えてリップクリームをゆっくりと唇を往復させた
くすっぐったい。と言葉にはしなかったが、笑う
「こんな感じでいいのかな?」
「うん、ありがとう。ヴィゴって何でも上手ね」
「お礼はその唇でいいよ」
ぷるんとした唇からは、カシスのような人工的な味がした
キスする口実に、冬中はずっと私がリップを塗ろうか?
Lip Care !
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