海/外/俳/優/

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太陽が出ていてる日中はそこそこ温かくても、月が出始める頃には冷えきっている
アスファルトも街も夜空も、全てが冬に包まれている。そんな気がした

「うー…いつの間にか冬になっちゃった…」

ついこの間までは暑さヨロシク!ってくらい夏だったのに。

「そんな薄着で出るからだろ」

ジョニーは笑って荷物を持ち直す。
やっぱり私も1つ持つよ、と言ったら林檎の入った軽いビニール袋を渡してくれた。(優しい!)

「だってこんなに寒いとは、思わなかったんだもん」

これも温暖化の影響だろうか、寒すぎる。
恐るべし、ラニーニャ!!と赤くなった鼻を少しだけ啜りながら、小さく叫ぶ

「そんなに寒いのか?」
「うん、寒すぎてアイス食べたくなった」
「アイス?余計寒くなるぞ」

もちろん、あったかい部屋でアイスを食べることに意味があるのよ、ジョニー君?
日本じゃそろそろ冬限定のアイスクリームがいろいろ発売されてるんだろうな。と考えたら、少し恋しくなった
でも、寒い中アイスの事を考えたら余計に身体が冷えて、1つ身震いをした

「ほら、こっち向け」

呆れたように笑いながら、(その顔結構好きよジョニー)自分が被っていたニット帽を被せてくれた。
きちんと耳が隠れるくらいに深く。

「だめだよ、ジョニーが風邪ひくじゃん!」
「オレは大丈夫」
「なんでよ」
「手、繋げばあったかくなるから」

ジョニーは足の間に置いた荷物を左手に持って、右手にわたしの手を繋いで歩き始めた
手があったかい人は心が冷たいらしいけど、きっとそれは嘘かもしれない

「こんだけ寒かったら、今年はホワイトクリスマスになるかもな」
「私も思ってた。雪かぁ…」
「はしゃいで、転ぶなよ」
「こ、転ばないよッ!」

子供じゃあるまいし。失礼なジョニーだ!
雪が積もったら、いっしょに雪だるま作ろう。
あと、雪ウサギも。

そんな事を言ったら、やっぱり子供だ。とジョニーに笑われた
でもきっと一緒に作ってくれるでしょ?



ふたりの冬物語








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