弐
□【約束】
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――「…一足先に、申し訳ないと、お伝えください。」
そういって泣き笑った稔麿さんの背中。
――「…ここは、僕にまかせてよ。ほら、行って。」
優しそうに笑った入江さんの雄姿。
――「…済まない。…ここでさようなら、だな。」
美しく笑った久坂さんの覚悟。
――「…情けないな…。だが、どうやら俺の役目は終わったな。」
儚く笑った高杉さんの最期。
全て、憶えている。
美しいほどに舞う白刃。
血に滲む羽織。
燃えさかる屋敷。
…堕ちていく身体。
全て、目に焼き付いている。