血桜葉隠【大和魂】

□第二志 泣ける場所
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久坂玄瑞の死から3日ほど過ぎた頃だった。

「失礼いたします。」

「…士桜殿!」

士桜が同志達の前に姿を現すようになったのは。

「士桜殿…。御身体は…。」

攘夷運動に戻ることがない、と思っていた士桜が自ら達の前に現れたのだ。

同志達は驚きと喜びの声をあげた。

「私は大丈夫です。貴方がたこそ、大切な同志を失って悲しいでしょう。」

士桜が微笑んだ。

恐ろしいほど自然な笑顔だった。

「………どうかご無理をなさらぬよう。」



…………「失礼致し候。」

同日 酉刻 暮れ六つ時

「……高杉殿!」

同志達の元に現れた人物がいた。

『高杉 晋作』

松下村塾で玄瑞に並ぶほどの秀才で、双璧とも謳われた人物で、いまや攘夷運動の中心人物であり、久坂兄妹の親友でもある。

「高杉殿。なに故ここに?」

同志達は士桜が現れたときのように驚いていた。
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