SHORT

□お上様
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「意思を附いて……か、本当に面白い」

「何が、面白いのですか?」

「お前は一体何人にその言葉を言ったのだ?見たところ、お前の行動は慣れた様な素振りだったぞ」

「…この国が天下統一されたとなれば、少なくとも大規模な戦は愕然と減ります。ですから、貴方様の意思に附くと申し上げました」

「そうか…本田、この空を見よ」


空?
こんな時に何を言っているのだろうか、この人は。


私は疑問を持ちながらも、彼の言葉通りに空を見た。



「どうだ」

「快晴、ですね」

「そんな事は聞いていない。この空はどこまで繋がっていると思う?」

「さあ…私には解りかねます。」

「俺はこう思う。この空は、どんなに戦が激しくなろうとも戦をしようとも、何時までだって澄み切ったままだと。それで、日本全体、いや世界中を繋げている。」

「?」

「…お前はもう少し頭を使え、頭を。」



織田様に頭を小突かれた。

地味に痛かったので、小突かれた所をさすっていると、織田様はまた聞いてきた。



「どうだ、ほんの少し力を入れただけでもやられたら痛いだろう。」

「…少々痛い、です。」

「その傷の様に、空は雨が降る時は灰色だ。しかし、何時かはそれが終わり見事に青々とし、太陽を見せてくるだろう。その様に、戦も何時かは終わり、一時でも一俺達に平和を齎してくれる。」



何と無くだけれど、この人が言っている意味が分かった気がした。


 
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