SHORT
□気付いて下さい
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兄さん…
何故気付いてくれないのですか?
私は本当に兄さんを心から愛しているのです。
悪戯なんかじゃない。
遊戯でもない。
私は何時でも本気です。
なのに貴方はいつも私から逃げて行く。
悲鳴を上げて、私に向かって投げかけてくる言葉。
「帰って」、「帰って」、と。
何度も怯える様に言ってくる。
ああ、どうしてなのですか兄さん。
何故私に帰ってほしいのですか?
私は兄さんと一つになりたいだけ。
他の理由なんてないのですよ?
貴方を怯えさせようだなんて、微塵も思っていないのに…
なぜ、にいさんはわかってくれないの?
何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故…っ!
ああそうか、私と兄さんのほかに、国が存在するからだ。
兄さんは南が好きだからいつも出かけるんですね。
もし、もしあいつ等を全て殺してしまったら、兄さんは喜んでくれますか?
兄さんは私を褒めてくれますか?
兄さんは、私を好きになってくれますか?
勿論答えは返ってこないけど、私はいつまでもいつまでも、貴方を愛しています、兄さん。